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お嬢さん乾杯! [DVD]
・佐野周二 ・原節子 ・佐田啓二 ・東山千栄子 ・村瀬幸子
【松竹ホームビデオ】
発売日: 2006-06-24
参考価格: 3,990 円(税込)
販売価格: 3,990 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・佐野周二 ・原節子 ・佐田啓二 ・東山千栄子 ・村瀬幸子 ・新藤兼人
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カスタマー平均評価: 5
題材がとても興味深く、作品に時代も感じました。 1949年公開、戦後、華族制の廃止というまさに激動の時代に制作をされた作品、貧しい家の生まれながら弟想いでわずか一代で自動車修理会社を経営、そんな彼の元に突如、元華族のお嬢さんとのお見合い話が、乗り気でなかったが、日本の聖女とまでいわれた伝説の女優、原節子が演じるお嬢さんをひと目見て彼は恋に落ちる、だが、彼女の父は騙され事業で失敗、刑務所に、おまけに婚約者は戦争で他界していた事を知る、こんな美人が自分を本当に愛してくれるのか、純粋故に悩む彼、身分違いの恋の難しさにお金の問題も重なって、題材がとても興味深く、アメリカに追いつけ、追い越せという当時の日本の意気込みも感じられる良作、当時、29歳の原節子も美しい、日本の当時の街並みなども観られる貴重な作品と言えるでしょう、お勧めです。
原節子の美しさと木下恵介の才気が生んだ傑作 木下恵介といえば「二十四の瞳」「女の園」「喜びも悲しみも幾年月」などの監督として知られているが、個人的にはこの「お嬢さん乾杯」と「破れ太鼓」という2本の喜劇が代表作だと思う。特にこの「お嬢さん乾杯」は原節子という絶世の美女を主役に起承転結が明瞭で90分とコンパクトにまとまった良作で今見ても面白い。
靴が飛んでいく、「空いてる車を」といえばバスが来てしまう、階段落ちといったギャグは古臭いけれどテンポのよさが抜群なので退屈しないし、佐野周二のアパートを写す時のクレーン撮影での上昇する視点(大家の電話の場面で見事!)などの動きも工夫されており、脚本の新藤兼人と木下恵介の演出が見事にマッチした傑作だと思う。
しかし、原節子という絶世の美女がいなかったらこの映画は成立しなかったかもしれない。自分のことを「あたし」ではなく「わたくし」などといって違和感のない女優など今や皆無であろう。ボクシングの試合の時の徐々に変化する表情、お茶をすすめる時の「どうぞ、どうぞ」という言い方の愛らしさ、手にキスした後に自分の家の門に入る時にズッコケなど小津作品の鎌倉のお嬢様役の時は決して見られない別の魅力を見せてくれた。原節子はこの年に今井正の「青い山脈」と小津の「晩春」に出て、その2年後が黒澤の「白痴」、小津の「麦秋」、成瀬巳喜男の「めし」に出演していて、まさに絶頂期でした。
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クレイジー・コップ~捜査はせん! [DVD]
・間寛平 ・小松みゆき ・大竹まこと ・渡辺典子
【ラインコミュニケーションズ】
発売日: 2005-05-20
参考価格: 3,990 円(税込)
販売価格: 3,990 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 648円〜
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・間寛平 ・小松みゆき ・大竹まこと ・渡辺典子 ・高橋洋
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カスタマー平均評価: 0
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喜びも悲しみも幾歳月 [DVD]
・高峰秀子 ・佐田啓二 ・中村賀津雄 ・有沢正子 ・田村高広
【松竹ホームビデオ】
発売日: 2007-06-27
参考価格: 2,400 円(税込)
販売価格: 品切れ中
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・高峰秀子 ・佐田啓二 ・中村賀津雄 ・有沢正子 ・田村高広 ・木下惠介 ・木下惠介
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カスタマー平均評価: 0
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天使の恍惚 [DVD]
・葛井欣士郎
【ビデオメーカー】
発売日: 2007-09-29
参考価格: 5,040 円(税込)
販売価格: 5,040 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 3,600円〜
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・葛井欣士郎 ・足立正生 ・磯貝一 ・若松孝二 ・出口出 ・伊藤英男 ・山下洋輔トリオ ・横山リエ ・吉沢健 ・沖島勲
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カスタマー平均評価: 4.5
トーキョー・バーニング! 『赤軍-PFLP 世界戦争宣言』の直後に製作された、若松ピンク映画中最大の問題作で、脚本は足立正生が担っている。
爆弾闘争を担う青年達が、内ゲバを乗り越えて、日本革命に向けて邁進していくという話。
監督はこの映画で「東京爆破宣言したようなもんだった」と語っている。
尚、「四季協会」なる名称はブランキの秘密結社の名から採られている。
作中の「大衆など大衆でしかないじゃないか!」という科白には若干説明を要する。
―大衆は自分達の闘いに呼応して決起する―かつて多くの左翼にはこんな虫のいい大衆観が根強く浸透していた(今でもそうかも知れないが)。やがて彼らは、「こんなものは幻想に過ぎない、大衆が決起することなどあり得ない」という、ある意味正当な現実主義に到達することとなる。
本作の女性活動家・アキが直面したのは、まさにこうした行き詰まりである。彼女が「個的な闘い」を主張する場面は寧ろ痛々しい。率直な感想を言えば、「あー、こうやって自分を追い詰めていったのね」といったところだ。
そう考えてみると、この映画が描いているのは出口の無い、痛ましい青年達の姿とも言える。だが、そう言ってしまっては少し綺麗にまとめすぎかもしれない。寧ろ、「この社会はクソッタレだ。そして俺達はその中であがきながら走り続けていくしかないんだ…」そんなメッセージを素直に受けとめればいいのかもしれない。
革命前夜 当時の革命闘争は、映画の上映までストップさせる程、過激だったのだろう!ただ作りが安っぽい。セックスしながらの闘争論争、暗闇での物質強奪など、段取りが見えてしまい、緊縛感が薄れてしまう。若松孝二監督でリメイクを見てみたい。
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日本の悲劇 [DVD]
・望月優子 ・桂木洋子 ・田浦正巳 ・佐田啓二
【松竹ホームビデオ】
発売日: 2006-06-24
参考価格: 3,990 円(税込)
販売価格: 3,990 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・望月優子 ・桂木洋子 ・田浦正巳 ・佐田啓二 ・木下惠介
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カスタマー平均評価: 5
現実に生きる生身の人間とは、、、 人生を体験できる作品です 「人は人を傷つけ、人に傷つけられながら生きていく」
人に全く期待しない人間、人から全く期待されない人間は傷つくこともないし、傷つけることもないでしょう。
僕たちは自分の家族に、理想の父親、理想の母親、理想の息子、理想の娘、理想の夫、理想の妻を期待しがちです。
人への期待が大きいほど、期待通りにならなかった場合、その人から受ける傷も大きくなり、時には怒りも感じます。
作品に登場する母親と娘と息子、英語塾の教師の夫婦、彼らに好感は持てません。でも、彼らの気持ちは凄く分かります。
もし、自分があの母親で、あの母親と同じ様な人生を歩んで、同じ様な状況になったら、、、もし、自分があの娘で、、、もし、自分があの息子で、、、もし、自分があの英語教師で、、、もし、自分があの英語教師の妻で、、、と考えてしまいます。
人間 自分がしてきたこと、自分の身に降りかかったこと、どんなことでも自分が背負って生きていくしかないです。
『二十四の瞳』や『喜びも悲しみも幾年月』では人間の理想の姿を、この『日本の悲劇』では人間の現実の姿を見せてくれます。
無能のマリアよ 涙など乾いてしまった
劇中の音楽は伴奏のテーマとラジオから流れるものだけ
反戦などという意気のこもったものでなく
もっと静かななにか、透徹した虚無が全編を覆い
俺はただただ口元をおさえ 画面に見入るしかなかった
そして特筆すべきことは
この時代にこのレトリックはあまりにも鮮烈でまさに前衛というしかない
当時どのような評価がなされていたのかとても気になっている
怒涛と圧巻の狭間を揺れ続ける静寂を深く深く感じ取った
昭和の日に見るべき作品??当時の観客がこの作品を拒絶した理由は何か? 木下恵介の最高傑作ではないだろうか。??戦後の混乱期、子供たちを育て、子供たちに教育を受けさせる為に、温泉街でいかがわしい仕事をした母親が、成功した子供たちから嫌悪され、ついには、映画の結末に在る悲劇に至ると言ふ物語である。??戦後の混乱が一段落し、日本が高度成長期にこれから入ろうとするこの時代に、小津安二郎の『東京物語』や黒澤明の『生きる』、『生きものの記録』と言った、苦労した親が子供からうとまれ、或いは拒絶されると言った題材の作品が生まれて居るのは偶然ではない。木下恵介のこの作品も、そうした時代状況を反映した作品の一つであったと、私は考える。映画評論家の佐藤忠男氏は、その著書『黒沢明の世界』(三一書房・1969年)の中で、黒澤明の『生きものの記録』を木下恵介のこの作品(『日本の悲劇』)と比較し、当時の日本の観客が、この二作品に抵抗を感じた理由を分析、考察して居るが、その理由は、この映画が描いた物が、当時の日本の現実その物だったからだと私は考える。(佐藤氏の考察は、非常に興味深い物である。『日本の悲劇』を観た人に、佐藤氏の『黒沢明の世界』の中の『生きものの記録』に関する箇所をお読みに成る事をお勧めする。)誰かが、昭和の日に、観るべき映画を一つ挙げろと言ったら、私は、この映画を挙げるかも知れない。
(西岡昌紀・内科医/昭和の日に)
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江分利満氏の優雅な生活 [DVD]
・小林桂樹 ・新珠三千代 ・江原達怡 ・東野英治郎
【東宝】
発売日: 2006-02-24
参考価格: 4,725 円(税込)
販売価格: 4,725 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 3,300円〜
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・小林桂樹 ・新珠三千代 ・江原達怡 ・東野英治郎 ・山口瞳 ・井手俊郎
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カスタマー平均評価: 5
NO.107「え」のつく元気になった邦画2 <元気コメント>
この生活をこわさせやしない。
サラリーマンだって、一生懸命生きているのです。
特別でない、日本人の姿。 この原作を読んだときに感じた味わいが蘇ってくる素晴らしく、愉快な映画でした。山口瞳さんの原作は、私小説というか、随筆というか、それまでの小説に見られないようなものでしたが、身辺を見る目とその語り口が実に小説的で、それが見事に描かれていますし、共感できます。サラリーマンの生態をが愉快に描かれていますし、江分利氏の酒飲んでのくだの巻き方も実物を見ているようでした。特別な才能に恵まれることなく慎ましく生きる多くの庶民の心の中を代弁した物語です。主演の小林桂樹さん、奥さんの新珠三千代さん。はまり役だと思います。柳原良平氏のアニメーションも良かったです。岡本喜八監督のアイデアがとても良かったと思います。日本人の姿を描いた名作ではないでしょうか。
江分利の真骨頂 山口夫人、公開当時にこの映画をみて曰く、「お父さんがいる」
といったとか・・
赤ん坊の正介の口に箸でご飯を運ぶシーン、
山口の実の義弟のジェリー伊藤相手に酒をくみかわしながら
「アイムスチルアーリイサーティ」とつぶやくシーン。
駄目でした。泣きました。
もうちょっと書きたいのですがやめときます。
おそらくこのDVDはコレクターズアイテムになります。
再発もないでしょう。
同好の諸兄には早速のご購入をおすすめします。
岡本喜八監督・小林桂樹氏の代表作。 劇場公開時の興行成績は製作者にとって満足できるものではなかっただろうが、今日観賞すると、不思議に色褪せたという感じがしない。映像技法としての面白さが随所に感じられる。原作「江分利満氏の優雅な生活」(新潮文庫)を読んだとき、この作品をどう映画化したのだろうという興味が尽きなかったが、いい意味で見事に裏切ってくれた。山口瞳や梶山季之も、こっそり出演している。待望のDVD化。
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[ DVD ]
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吉田喜重 DVD-BOX 1
・津川雅彦 ・高千穂ひづる ・佐田啓二 ・瑳峨三智子 ・岡田茉莉子
【松竹】
発売日: 2005-02-26
参考価格: 29,610 円(税込)
販売価格: 29,610 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 14,500円〜
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・津川雅彦 ・高千穂ひづる ・佐田啓二 ・瑳峨三智子 ・岡田茉莉子
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カスタマー平均評価: 0
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踊る大捜査線 THE MOVIE~湾岸署史上最悪の3日間!~(特別版) [DVD]
・織田裕二 ・柳葉敏郎 ・いかりや長介 ・深津絵里
【フジテレビ】
発売日: 2000-07-19
参考価格: 6,090 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 890円〜
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・織田裕二 ・柳葉敏郎 ・いかりや長介 ・深津絵里
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カスタマー平均評価: 5
まさに踊るシリーズ¥W大成 製作者のコメントにもありますが作り手の楽しさも伝わり、見る方も楽しくなる映画です。今までの日本映画に無かった様なアングルが随所に有り、特に湾岸署の前のロータリーに本店部隊の車が集まって機材の搬入が始まるシーンなど迫力満点。また、いかりや長介のいぶし銀の演技も見所で、終盤スローで見せるいかりやの表情は台詞が無くても充分過ぎるほどに見ている物の涙を誘い、その後の警察官全員が敬礼で室井の車を見送るシーンも鳥肌もの。キャリア組みの中では刑事局長役の津嘉山氏の演技がズバ抜けて最高で!誰もが怒りに拳を握ってしまいそう。そしてお約束のスリーアミーゴスも絶妙のアクセントに・・・と、まーとにかく見どころ満載!
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[ DVD ]
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社長太平記 [DVD]
・森繁久弥 ・小林桂樹 ・加東大介
【東宝ビデオ】
発売日: 2005-02-25
参考価格: 4,725 円(税込)
販売価格: 3,792 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 3,500円〜
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・森繁久弥 ・小林桂樹 ・加東大介 ・笠原良三
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カスタマー平均評価: 4.5
「戦後」を知る一級映像資料 戦争体験者が社会の中枢にいたころ、昭和の終わりか、せいぜい平成の初めごろまで、いわゆる「軍歌バー」が全国各地で散見されたが、当該の世代が一線から退き、この10数年で、ほとんど姿を消してしまった。
観光地の大型温泉旅館が、全国の支部の持ち回りで開かれる「戦友会」や、その延長線上にある「社員慰安旅行」で支えられた時代は終わり、今や、女性同士や、家族単位へのサービスがその手の旅館の生き残り戦略の柱となった。
この映画では、舞台となる「海軍キャバレー・大和」をはじめ、軍事演習まがいの消防訓練、待合での風景といった往時の風俗を通じ、戦前のにおいが、人とともに、戦後も長らく残っていたという当たり前のことが体感できる。
江戸が明治元年で終わったのではないように、戦前も、実感としては昭和30、40年代までは、濃厚にあったのだということを思い出させて(気づかせて)くれるのだ。
何よりも、満州帰りの森繁や、南方帰りの加東など、登場する俳優の多くが、激動の時代の修羅場をくぐった経験を持つだけに、演技の底に「本物」のすごみがにじみでている。これだけは今の俳優が演じても絶対に出せないオーラ。ぜひ「ALWAYS三丁目の夕日」と比べてみてほしい。
蛇足ながら、電話交換手役の笹るみ子から、「景品ポイント」と交換で社内の機密を聞き出す社長の姿にさえ、情報戦で敗れた元海軍さんのルサンチマンが見て取れるというのは、うがちすぎだろうか。
懐かしさがこみ上げる昭和30年代・・ 社長は森繁、庶務課長の加藤大介は実は戦時中の上官・部下関係。実際、加藤のほうが2歳年上だが、劇中も加藤は軍艦の艦長。 森繁は平の水兵だったが、終戦後は立場が逆転したという設定。 時々、「艦長殿!」と森繁が直立不動で敬礼してしまうのが大笑い。(~o~) 会社が女性下着の会社だったり、 「海軍キャバレー」なる店が出てきたり、設定そのものがかなりユニークである。(~o~) 工場が火事になってが「海軍魂」で皆消火にがんばったりする。 監督が他に「太平洋の嵐」「太平洋の翼」「連合艦隊」などを撮った 松林宗恵だから・・なるほどか。 小気味よいテンポで、人情劇が進む。 後のブルジョワジーへの憧れを感じさす他の「社長シリーズ」とは、やや異なる味付けです。(^_^.)
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[ DVD ]
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めし [DVD]
・上原謙 ・原節子 ・島崎雪子 ・杉村春子 ・小林桂樹
【東宝ビデオ】
発売日: 2005-07-22
参考価格: 4,725 円(税込)
販売価格: 4,725 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 3,500円〜
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・上原謙 ・原節子 ・島崎雪子 ・杉村春子 ・小林桂樹 ・林芙美子
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カスタマー平均評価: 5
黒澤・溝口よりもこっちを観るべき 何故か四大巨匠のなかでは影の薄い成瀬巳喜男だが、私は最も才気があるのはこの人だと思っている。
「生きる」や「西鶴一代女」は何度観ても心を動かされることはなかった。
一方で成瀬巳喜男の作品は、毎回深い感銘をもたらしてくれる。
日本映画界が本当に誇れるのは、受賞の数が多い黒澤・溝口よりも、庶民的で現実性のある小津・成瀬のほうではないだろうか。
逆に近年の場合は、青山真治や河瀬直美のようなタイプよりも、北野武や三池崇史のようなタイプのほうが才能に満ち溢れていると思う。
NO.167「め」のつく元気になった邦画2 <元気コメント>
平凡だが心安らかな生活がいかに大切か・・・
昭和史、女の幸福とは、、、。 1951年公開作品、主演は原節子、上原謙(息子は加山雄三)、皆さん、書いていらっしゃいますが、日本の聖女とまでいわれた女優、原節子の変貌ぶりにとても驚きました、どこが違うかと言われても困るのですが、それまでも小津安二郎監督作品の清らかな偶像の様な美しさとは異なり、生身の生きた美女というか、妙に生々しい女の色気が充満している様に感じられるのです、不思議な事ですが、本当です、周囲の反対を押し切って激愛の末に結ばれた美男美女、けれど慣れない大阪での転勤生活、5年の月日の間に愛は薄れ、虚しい風を感じ始める妻、東京へ里帰りをするが、終戦間もない時期、苦労をする友人などを見る中、女の本当の幸福とは果たしてどの様なものなのかを考える様になる、題材がとても面白い作品でした。
心にしみる日常風景 こういう映画を見た後の、そこはかとない幸福感を何に譬えれば良いのか・・・
まるで、気持のいい美しい夢を見て目覚めたような感じがした。
主演の原節子と上原謙のどことなく浮世離れした風貌、それにモノクロで映し出される1950年代前半の東京や大阪の風景の牧歌的な美しさに陶然と見入ってしまった。
ストーリーはごくありふれた日常のどこにでもあるような話だけど、それ故にかえって心に沁みる映画だ。
男と女がいて愛があれば、どんな時代でもどこの世界でもこういう事はある。
まさに永遠不変の人間の心情がそこに描かれている。
細やかで暗示に富んだ演出は成瀬巳喜男の真骨頂だが、この映画では特に、小津映画で見慣れている偶像化された原節子とは違って、細やかな演技をする彼女がとても良かった。
ただ、ひとつだけ難点を言えば、早坂文雄の音楽がドラマチックに過ぎて映像にそぐわないような気がした事だろうか。
早坂文雄は夭折の天才作曲家として黒沢映画の数々の映画音楽で有名である。
この映画のそれも、かなりユニークで重厚なものだけど、もう少し違ったもので良かったんじゃないかと思う。
装いにだまされてはいけない 夫婦間でいざこざがあって、それが解決したりしなかったりするというのが成瀬映画に多いストーリーラインだが、これもそういう一本。原節子が小津映画とはちょっと違っていたのでビックリしました。声がちょっと高く、若々しい。 夫婦の下に転がり込んでくるのが、夫(上原謙)の姪・里子(島崎雪子)。 で、この二人の関係がちょっと艶っぽくみえる。これは脚本、演出、カメラワークの巧みさからくるが、成瀬映画はこういう艶っぽさが随所に見え隠れするので要注意。地味で倦怠でというイメージだけではない。 二人の住む長屋が朝を迎えるシーン、小津映画みたいな(晩春か)カット、音楽や演者のアンサンブルの巧みさなどを充分味わって欲しい。97分だが、もっと長い、ぎっしりした映画を観たという感じを受けると思います。
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