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橋のない川 第一部 [DVD]
・北林谷栄 ・伊藤雄之助 ・長山藍子 ・小沢昭一 ・山村聡
【エースデュース】
発売日: 2004-11-26
参考価格: 4,935 円(税込)
販売価格: 3,909 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 4,000円〜
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・北林谷栄 ・伊藤雄之助 ・長山藍子 ・小沢昭一 ・山村聡 ・八木保太郎 ・依田義賢
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カスタマー平均評価: 3.5
自然な関西アクセント 昔(1969年)の白黒映画でテーマがテーマだけに、非常に暗くて眠い映画と思いきや、意外にも素朴で明るい演出で、ストーリー的にも結構面白く、眠くなる事は無かった。何よりも良かったのは、古い映画に良くありがちな台詞の聴き取り難さが全くなかった事。音質の良さもさることながら、奈良を舞台にした登場人物たちの、実に自然な関西弁が違和感無く耳に響いた。先日ビデオ鑑賞した『蟹工船』の理解し難い東北弁の台詞との対照が際立った。勿論、私が生まれついての関西人であるせいでもあろう。
北林谷栄、長山藍子、伊藤雄之助、小沢昭一らの名演も素晴らしい。若き日の石立鉄男もあんちゃん役でチラッと出ているが、はまり役だった。子役らの演技もイイ。ただ女教師役の寺田路恵のセリフが、まるで舞台女優のようにやたらとハキハキし過ぎているのがやや違和感を感じた。
第1部だけ取り合えず観てみようかってつもりだったが、是非第2部も観てみたくなった。以前に観た東陽一監督のリメイク版より、良かったと思う。ただ、「○ッタ」や「○チガイ」等、放送禁止用語がバンバン出てくるので、地上波での放送は今後も無理であろう。尚、ラストシーンで急に画面がカラーになったのにはビックリした。
ネオリアリズム モスクワ国際映画祭ソ連映画人連盟賞を獲得している、ネオリアリズム映画です。部落という理不尽な差別がテーマです。人間は性格、行動、能力で判断されるべきなのに非常に悲しいと言いますか、差別をされる側から描かれているので、その苦しさがダイレクトに伝わってくる社会派映画です。第一部と二部に分かれていますが、見るのであれば当然のことながら両方見た方がいいです。戦時中の神として存在した天皇の病と死ということを、通して部落も天皇さえも同じ人間という比喩に使われていますが、やや天皇が美化されており、どうなのでしょう、、もう少しその比喩を強くした方が良かったような気もします。ただ時代も時代で、その天皇の比喩を強くしたら上映されなかったかもしれません。僕としては最後の政治的な事実のナレーションはないほうが、もっと感情に訴えかける事ができたのではないか?もっと主人公を絞りその主人公の心情にフォーカスした方が、見る側の心を動かすことが出来たのではないか?感情移入ができたのではないか?と個人的には思います。ネオリアリズムなので全体を描くという手法なのでしょうけれど。。。
よくソフト化されたもの この映画は上映を企画すると必ず上映阻止行動に出るグループがいて、なかなか上映の機会のない映画でした。したがってビデオソフトになることはまずないだろうと思っていたら、何と2部作全部DVDになり驚くのと同時にありがたいと思いました。
差別を助長するという人がいますが、それほどではないと私は思います。例によってちょっと突き放したような描き方はこの監督独自のもので、この映画だけのものではないからです。
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カタクリ家の幸福 [DVD]
・沢田研二 ・松坂慶子 ・武田真治 ・西田尚美 ・忌野清志郎
【松竹ホームビデオ】
発売日: 2002-07-25
参考価格: 4,935 円(税込)
販売価格: 3,909 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 3,300円〜
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・沢田研二 ・松坂慶子 ・武田真治 ・西田尚美 ・忌野清志郎
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カスタマー平均評価: 4
超イロモノっ! いいですよこれ。ブラックコメディ時々ミュージカルって感じ。キャスティングが絶妙でめちゃくちゃ頑張ってる。急に踊り出して歌いだす皆さん。ジュリー・松坂慶子夫婦もいいが西田尚美とかも結構ツボだなぁ。ごちゃまぜのジャンルもそうだが脚本も普通に悪ノリだろうって部分も多いので好き嫌いははっきり別れると思います。 笑える人は爆笑必至ですが、劇場でお客さんと一緒にみた方がはるかに面白いパターンの映画でしょう。
傑作です。 もとネタの「クワイエット・ファミリー」は見てないし、三池監督作品も初めてだったが、見事に私の笑いのツボにはまってしまった。個性が強いだけに、好き嫌いははっきりと別れる作品ですね。
まず冒頭のクレイ・アニメにびっくり! 変で気持ち悪くて不条理です。
次々と宿泊客に死なれるカタクリ家の面々の面白さ。すっかり太めになった沢田研二だけど、歌うとやっぱりジュリーだわ♪ 相変わらず演技は下手だけど、ドレスアップして旦那とデュエットする場面はさすがに美しい松坂慶子。やはりあれは女優の華かしら。丹波哲郎はやはり熱く語ってしまうのだ。中高年に比べたら若手はややパワー不足だったがなかなか健闘していた。愛嬌の無い孫娘のユリエの醒めた感じがとてもいい。
そして清志郎演じる結婚詐欺師、最高?!! 自称日英ハーフの米軍人で変テコな日本語で女を口説く。「こんなのに騙されるんかい?!」と思うけど、実際ニュースなりましたね、こんな詐欺師が。。。。
最初の頃は楽しい!でも最後の頃は・・・ みてて、中盤まではすっごくおもしろかった。 途中でアニメーションになったりするし、出演者豪華だし、いきなり歌いだすし。 でも最後の方になってくると、ふざけすぎだなって思った。 特に、野原で家族が行進しながら歌うシーン。 子ども番組でお兄さんと歌う的な曲を、明るくみんなで歌ってるんだけど、これがまたふざけすぎ・・・。 楽しくしたいのはわかるが、ここまで来ると、嫌になってきた。 以上、正直な感想です。
★☆これ。。まじ つまらなかったわ・・・★☆ 期待してたんだけどね 沢田研二だし タイトルとかいいかんじだし。 みたら はじめの15分くらいは どーなるんかなっておもってたけど。。だんだん ぼろぼろ。。何がしたいんだかもわからないかんじ。。恋に唄えばと同じにおいしたなあ。。。あれもひどいだろ。。 なんというか。。ミュージカルがいやではなくてね。。全体的に失敗だなこれ。
とにかく楽しい映画です。ぜひ観てもらいたいですね。 三池監督の映画にしては俳優が有名どころが集まってますね。出ているすべての俳優がいいです。とにかく歌って踊れる人ばかりなので、ばっちり決まってます。途中に入るクレアニメーションなのかな、これもアクセントがついてよい効果があります。あと、なんで面白いのかというと、この監督が暴力的なシーンが得意な点にあると思います。激しい映像が(犯罪も、自然の激しさも)うまいから、ほかのほのぼのしている映像が引き立つのです。 私自身はすごく気持ちがめげているときに初めて観たのですが、嫌なことを忘れさせてくれました。終ったときに楽しい気分にさせてくれた映画です。感謝感謝。 最後に丹波さんが「大霊界」そのままに飛んでいってしまうところも面白いし、出だしのカラスを木を投げて落とすところなんかいいですねえ。 私は本当に楽しかったです。
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悪夢探偵 スタンダード・エディション [DVD]
・塚本晋也 ・松田龍平 ・hitomi ・安藤政信 ・大杉漣
【ハピネット】
発売日: 2007-06-22
参考価格: 3,990 円(税込)
販売価格: 1,995 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 716円〜
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・塚本晋也 ・松田龍平 ・hitomi ・安藤政信 ・大杉漣 ・塚本晋也 ・塚本晋也
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カスタマー平均評価: 3.5
塚本晋也はヒルコの方がずっと良かった 他人の夢に入り込むって押井の甲殻ですか?ザ.セルですか?オリジナリティが乏しい。松田龍平も松田優作の息子という価値以外未だにみつけられず。
「これって俺の夢じゃないか…」 他人の夢の中にダイブできる影沼。陰気で覇気がなく自殺願望があり、倒れているとアパートの子供たちに「あ、生きてた」なんていわれちゃうぐらいの紙一重の男。霧島の頼みを引き受けるのも嫌がるが、いやおうがなしに巻き込まれていく。
松田隆平という役者を初めてこの作品で知りました。和風の顔立ちをしたちょっと変わった雰囲気を持つ方ですね。なんだか楽しみな俳優さんを見つけました。
一応、メインヒーローなのにすべてがマイナス思考、ただ陰鬱に生きていてすべてがだるい。こういう人はリアルでは結構いますが、あえて主人公に据えるという所が面白いな?と思いました。明るく活発な主人公にもそろそろ飽きてきた頃なので逆に新鮮です。
「これって俺の夢じゃないか…」
誰が犯人なのか、どう解決するのか。のも気になりましたが、「影沼、事件解決するまで自殺するなよ」と妙な声援を送りたくなる作品でした。
やっちゃった 人の悪夢に入り込める、その創作と松田くんまでは良かったと思います。この映画で一番よいのは最初の原田さんとのやりとりですな。この映画では塚本感覚がぶれてわるい方にいってしまったという感じが演出、物語の運びでみうけられ、ちと痛いですな。みてる途中からhitomiさんには是非出て行っていただきたいと、思いましたが、、、。発想はいいのでもっと平常の生活ベースにして発展させるとよいと思いました。残念な駄作です。
いいんだけどなぁ 少し目をつぶってしまうようなグロい場面があるので苦手な人は苦手かも。
それにしてもhitomiの演技がいただけない……
真剣に物語に入り込んで見ていてもhitomiが出てくるとその演技でガクッとしてしまうシーンが。
他は文句なしでいいんだけどなぁ。
ネガティブなダーク・ヒーロー誕生。 塚本晋也監督作品。
オススメ度は低いけど、僕自身は凄く満足した。僕が僕に薦めるのなら、星5つでもいいかも知れない。
hitomiは演技が下手である。以前の僕だったら、あるいは、hitomiでなかったら、文句たらたら怒っていたかも知れない。
でも、いいのだ。hitomiの演技が観たいのではない。hitomiのヴィジュアルが見たいのだ。僕はそれだけで満足した。
全然エリート刑事には見えない。会議室で捜査するのが嫌で現場に来た元キャリアには見えない。ただ暗く、弱弱しい。セリフも発音が悪くハッキリと聞こえない。でも、それでいいのだ。
主人公の悪夢探偵、他人の夢に入って行くという特殊能力を持つ、でも、それを好きでやっている訳ではない、影沼京一。松田龍平は、僭越ながら偉そうに言わせてもらうと、演技が上手くなった。hitomiが下手過ぎて上手く見えるだけなのかも知れないが。
以前観た映画、『昭和歌謡大全集』や『ギミー・ヘブン』での松田龍平は、ちょうどこの映画でのhitomi並みの演技力だった、ような気がする。
安藤政信とか、大杉漣とか、塚本晋也とか、その他の人は演技が上手かった。と言うか、普通に当たり前のことですが。
塚本晋也の映画を観るのは、僕はこれがたぶん初めてだけど、表現はグロいが、メッセージはやはり、『命は大切に』みたいなものであったと思うし、塚本監督演じる人物のセリフにも、非常に興味を持った。
この映画は3部作の1作目だそう。とりあえず2作目を楽しみに。
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八つ墓村 [DVD]
・豊川悦司 ・浅野ゆう子 ・高橋和也 ・市川崑 ・宅麻伸
【フジテレビ】
発売日: 2004-07-14
参考価格: 3,990 円(税込)
販売価格: 3,192 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・豊川悦司 ・浅野ゆう子 ・高橋和也 ・市川崑 ・宅麻伸
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カスタマー平均評価: 4
市川監督×豊川金田一、面白いが、旧5作に比べれば俳優陣が弱い。 すでに渥美清=金田一での映画化が有名な原作を、豊川悦司を金田一に迎え、
'79年の「病院坂・・・」以来17年ぶりの市川監督による金田一作品。
前出の松竹作品では現代を舞台にしていたのに対し、舞台を戦後に戻し、
旧5部作同様、自然と旧家の大セットを映した映像美が光っています。
豊川金田一は、早口で、ときに走り、また郵便局での少年とのやりとりの温かい一面などの
キャラクターが面白い。
ひょうひょうとはしていますが、背が高くすらっとした点が少し現代的なイメージ。
旧5作で、すでに出来上がった作品イメージの中に溶け込めているか、微妙なところです。
他には、萬田久子の好演・美しさ、岸田今日子の双子の姉妹が印象的です。
しかし、旧5作とどうしても比べてしまうのですが、
浅野ゆう子、宅麻伸など「テレビ俳優」の人達の印象が、非常に薄く浅い感じがしてしまい、
全体的に『何か物足りない。』
こうは言いましたが、普通に見れば、十分面白いと思います。
ちなみに、ラストに主題歌「青空に問いかけて」(作詞・谷川俊太郎、作曲・小室等)が、
エンディングクレジットと本編スチールのカットバックにあわせて流れるのが良いです。
この歌は日テレビ系ドラマ「俺たちの朝」主題歌(歌・松崎しげる)でしたが、この映画の為にカバ?したもの。
選んだのは監督だそうです。はじめて見たときに、どこかで聴いた曲だなあと思いびっくり。
「懐かしさ」が、映画の舞台とあっています。
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[ DVD ]
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新・監禁逃亡 2 【DVD】
・長澤つぐみ
【竹書房】
発売日: 2009-08-07
参考価格: 3,990 円(税込)
販売価格: 2,953 円(税込)
( 近日発売 予約可 )
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・長澤つぐみ
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カスタマー平均評価: 0
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叛乱 [DVD]
・細川俊夫 ・鶴田浩二 ・香川京子 ・山形勲 ・木暮実千代
【紀伊國屋】
発売日: 2008-02-23
参考価格: 5,040 円(税込)
販売価格: 3,992 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 4,522円〜
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・細川俊夫 ・鶴田浩二 ・香川京子 ・山形勲 ・木暮実千代 ・竹井諒
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カスタマー平均評価: 5
安藤大尉万歳! 二・二六事件関係の映画は他に「銃殺」「動乱」「226」と見たが、この「叛乱」が一番良かった。若き日の丹波哲郎(香田大尉)、熱い山形勲(磯部元一等主計)、ちょっと気弱な林少尉等青年将校の演技が良かった。(現在のジャニタレには絶対出来ないだろうし、やって欲しくない。)中でも安藤大尉を演じた細川俊夫は良かった。兵隊思いで、事件前は慎重で、事件中は最後まで強硬で、事件後は静かに逝った安藤大尉になりきっていたと思う。青年将校の氏名が「ほぼ実名」で出てきたのも良かった。(氏名の読み方が間違っていたのが数点あったが。)他に、宮口精二扮する警視副総監の男泣き、逮捕後の描写があったのは良かったし、香川京子がきれいだった。最後の処刑シーンは鬼気迫るものがある。ただ、氏名が一部違っていた(または故意に変えた?)り、処刑シーンの描き方が実際とは違っていたり、河野大尉の湯河原襲撃が描かれていなかったり、事実と異なり相沢中佐(7月3日)の処刑と青年将校の判決(7月5日)が同じ日であったり、残念な点もあるが、この作品を超える二・二六事件の映画は出ないかもしれないと思う。一見の価値は大いにあり!
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[ DVD ]
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不毛地帯 [DVD]
・仲代達矢 ・北大路欣也 ・八千草薫 ・大滝秀治 ・丹波哲郎
【東宝】
発売日: 2004-11-26
参考価格: 4,725 円(税込)
販売価格: 3,753 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 3,300円〜
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・仲代達矢 ・北大路欣也 ・八千草薫 ・大滝秀治 ・丹波哲郎 ・山崎豊子 ・山田信夫
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カスタマー平均評価: 4
何が壱岐正を防衛商戦に向かわせたか 11年のシベリア抑留生活の後、壱岐正は防衛庁の誘いを断り近畿商事繊維部で働き始める。妻子の安堵した表情はその後の葛藤の伏線だ。壱岐は社長の策略でエドワード空軍基地を視察した際、陸軍の「戦友」川又空将補と出会う。次期戦闘機には東西商事・グラント社が優勢であったが、川又は欧米各国が採用しているラッキード社のF104を押して、防衛庁内で微妙な立場に立たされていた。川又が左遷されそうだと新聞記者から聞いた壱岐は、自社の押すラッキードF104を調達させるべく、大本営参謀時代の人脈をフルに活用し始める。妻(八千草薫)や娘(秋吉久美子)の懇願をよそに、壱岐は仕事の鬼、実弾攻撃をものともしない商社マンとなっていく。
この映画の見どころは、壱岐正がどのようにして心変わりしたのか、そこであろう。防衛庁に近づくこと、大本営参謀としての人脈を使うことはしないことを彼は心に決めていたはずである。それが変心したのは、ひとえに川又との友情が理由とされている。ここに物足りなさを感じるのは私だけであろうか。抑留中家族の面倒をみてくれた川又への恩義はあるだろう。しかし、それだけで自らがシベリアで誓った信条を曲げることができるだろうかというのが率直な疑問である。
なお、壱岐正のモデルは瀬島龍三であり、近畿商事は伊藤忠商事であることは衆知のとおりであるが、事実との相違を若干付け加えておく。
1.グラマン(グラント)の代理店は伊藤忠商事である。
2.第一次FXに内定していたのはグラマン=伊藤忠商事である。
3.第一次FXに決定したのはロッキードであり、代理店は丸紅である。
4.芦田二佐(小松方正)の見積価格漏洩は、1959年の防衛庁データ流出事件に想を得たと思われるが、このとき流出したのは地対空ミサイルボマークの性能データである。
(以上沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫を参考にした)
原作に力負け 本作は、山崎豊子の『不毛地帯』を映画化したものである。山崎豊子の作品は、最近でも「白い巨塔」や「女系家族」、「華麗なる一族」などがテレビドラマとしてリメイクされ、大変話題となったが、本作も古いながらも見ていて思うことはたくさんあった。
物語は、元大本営参謀の壱岐正が、近畿商事に入社するところから始まる。陸軍のエリート街道を突っ走ってきた壱岐正。しかし、彼の人生もアジア・太平洋戦争の敗戦によって一変した。アジア・太平洋戦争の末期、大本営の停戦命令を関東軍に伝えるため、満州へと渡った壱岐は、そこで日ソ中立条約を一方的に破棄して攻め込んできたソ連軍に捕えられ、多くの将兵らとともにシベリアに抑留される。そして過酷な収容所の生活に耐え、帰還した壱岐は商社マンとして第2の人生を歩み出した。しかし、徐々に壱岐は、次期主力戦闘機の選定をめぐる「黒い空中戦」へと巻き込まれていくことになるのである。
基本的には、長時間の作品であるにもかかわらず、一気に見てしまえる内容であった。しかし、やはり原作に力負けしていると言わざるを得ない。もちろんそれだけ原作が大作であり、優れているということでもあるが、壱岐のシベリア抑留時代が割愛されすぎ、それを境とする壱岐の心身にわたる変化が十分に描けていない点は大変気になった。また古い映画にはありがちであるが、例えば100式司偵を適当な飛行機で代用するなど、細部へのこだわりが見られず、その時々の状況を完璧に作り出せていないところも残念である。
もちろんそれでも原作のストーリーの要所は押さえており、CGのない時代の作品であることも鑑みれば、十分評価に値する内容ではあった。しかし、原作のファンとしては、やはりより完成度の高いものを期待してしまう。是非、また他の山崎作品などと同様に本作もリメイクされることを強く期待したい。
タイムリーだった企画 ちょうどこの映画が封切られた当時は世の中「ロッキード事件」で大騒ぎであった。ジャストタイミングの企画だったと記憶している。山本薩夫監督も「11PM」などに出演して、映画の宣伝に努めていた。
さて、「戦争と人間」「華麗なる一族」「金環蝕」それに本作と魑魅魍魎の世界が展開される。ライバル社の飛行機が墜落してテストパイロットが死亡したのを「Good news」として、小躍りして喜ぶ連中の奇怪な様子などはその典型だ。
ただ、やはりナレーションが過剰なのと主役の壱岐の苦悩があまり出ていなかったのは少し残念な気はする。原作からすると途中で終わっているのはまだ撮影当時はまだ完成されていなかったのではなかろうか。これは「白い巨塔」と同じ事情ではないだろうか。
山本監督作品は自らの旧作からの画面転用をよくやっているが、ここでもそれが行われている。まずタイトルの雪原は「戦争と人間・第二部」の休憩直前のシーンであるし、ソ連軍の進攻のシーンは「戦争と人間・完結篇」のノモンハン事件のシーンからの転用である。
国防商売のウラ舞台 防衛省の事務方トップが防衛専門商社から200回以上ものゴルフ接待を受けるなど、「第二のロッキード事件」ともささやかれる一連の防衛疑獄が発生しているが、その原点を垣間見せてくれる作品がこれだ。
原作は、実話に想を得た迫真の小説で定評のある元毎日新聞記者、山崎豊子。公開当時は原作未完のため、前半部のエピソードのみで映画化されているが、主人公の元大本営参謀、壱岐正の生き様を追うというよりも、次期主力戦闘機はラッキード(ロッキード)かグラント(グラマン)かという、防衛ビジネスのウラ舞台を体感する視点で観ると、これはこれで非常に完成された映画だと感じられるはずだ。
映画冒頭に「特定のモデルはいない」と明示されるが、壱岐は先日他界した瀬島龍三氏がモデルだとされているし、近畿商事とは伊藤忠、首相も岸信介そっくりだ。元海軍航空参謀で、戦後空幕から参院選に出馬した源田実らしき「原田勝」や、背中だけ登場する右翼の大物らしき人物が児玉誉士夫など、それぞれ「これはあの人だな」と察しがつくのが楽しい。
瀬島はシベリア抑留時代、ソ連と何らかの秘密取引をしたことが疑われているが、劇中、防衛庁長官の口を借りて「最近、日本の防衛機密がソ連や中国にもれているのは、近畿商事のジャカルタ支店あたりを介してではないか」という、さりげないセリフを聞き逃してはならない。
観ている内に、現在問題になっている防衛疑獄の隠された絵が浮かんでくる。そう、防衛ビジネスの図式は半世紀前から何も変わっていないことに気づくはずだ(そういえばヒゲの隊長は、源田実そっくりの立場だ)。今後、捜査は元防衛庁長官など、有力政治家にまで及ぶだろうが、新聞やテレビのニュースを見る前に、これでよくおさらいをしておこう。
蛇足ながら米国の航空機関連企業はユダヤ財閥が仕切っているとされる。右に刀を売り、左に盾を売り、左に銃を売れば、右には防弾チョッキ。武器を買うカネがなければそれも貸す、そういう国際戦争ビジネスの末端に、米国の事実上の高度自治州である日本が、都合のいいように組み込まれていることにまでに思いをいたせるなら、このDVDは安い買い物だ。
ちょっと残念 原作を先に読んでから、この映画を観たのですが、181分という長い映画でありながら、物語は原作の1/4程度で幕を引きます。それだけ原作が大作であることは分かるのですが、この映画から「不毛地帯」に入った人はちょっと尻切れトンボ的な印象を持ってしまうかもしれません。何より壱岐正という人間の生き様はまさにこれからというところで終わってしまうので、この段階での幕引きだと、壱岐正という人物に不信感を抱いてしまう人もいるだろうなと思いました。この物語の核は、壱岐正という男が自己との対話を逃げずに繰り返し、常に自身に誠実であることの素晴らしさを問うているものだと思うので、後半部を知らない方は、ぜひ原作を読んで頂きたいなと思います。
なお配役や設定については、本当にドンピシャという感じで、小説の雰囲気そのままを映像化できていて、さすがは社会派の巨匠・山本薩夫監督だと思います。
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[ DVD ]
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ブルークリスマス [DVD]
・勝野洋 ・竹下景子 ・仲代達矢 ・岡田英次 ・八千草薫
【東宝】
発売日: 2006-02-24
参考価格: 4,725 円(税込)
販売価格: 3,758 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 2,940円〜
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・勝野洋 ・竹下景子 ・仲代達矢 ・岡田英次 ・八千草薫 ・倉本聰
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カスタマー平均評価: 4.5
大人が見るSF映画(子どもには難しいかも…) 倉本聰脚本、岡本喜八監督の佳作です。妙に心に残る映画です。敢えて難点を言えば、主役の勝野洋さんはちょっと役不足ではないかなと…。無骨な自衛隊員像には仕上がってますが、魅力ある人間像を感じません。だから主人公のひとりなのに感情移入しないのです。ルックス的にもなんだかなあ…。エンディングにはもっとサプライズが欲しかった。
やっと見つけた その昔、テレビで放送した物をビデオテープに録画した物はもっていたのですが、これもDVDで発売されたのですね。
作品の内容については、みなさん書かれているので、自分なりの感想を。
ホントに地味に、じわじわと恐怖を感じさせてくれる映画ですね。
あんまり地味すぎて興行的にはヒットしなかったようですが、なぜこの作品を私は知っていたのだろう。テレビの放送時の作品紹介欄を見て興味を感じたのかな。
そこのところ記憶が曖昧で、、、。
家が映画館をやっているので、それで見たことがあったのかも。
いずれにせよ。名作です。
不遇のSF傑作!真の衝撃作!! 本作が公開された時期は「未知との遭遇」や「スターウォーズ」の頃とかぶるので、本作のような特撮もない地味目なSFは蚊帳の外へ放置され凡作として忘れ去られてしまった。映画の宣伝でよく「衝撃の話題作!」というフレーズを耳にするが、実際に観てみると衝撃がないものが多い。本作は真に衝撃的な作品だった。UFOを題材にしがSF映画であるが、UFOなし、宇宙人なし、アクションなし、サスペンスなしで、ほとんど普通の街の描写がラストまで続く。しかし、ラストまで目を離すことができない静のアクション映画だ。SF的な手法としては旧惑星ソラリスを思い出させる。興行的には日本でも世界でも日の目を見ないがこれこそSF!カフカの変身にも劣らない傑作ではないだろうか!?是非、最新のデジタル技術で、デジタルリマスター版の次世代DVDで発売して欲しい。特典の仕様はよくない。監督が本作について語る特典があるが、本編の音声を入れているので言葉が聞きづらい。スチール写真の方が数段良かったと思う。次回に作る時には是非改善して欲しいと思う。
み?つけた 公開当時、脚本を手に入れ、プログラムも手に入れ、何度も読み返したけれども、映画は来なかった。地方へは配給されなかった。charの悲しげな曲を何度聞いたことだろう。それからの歳月。ひたすら待ち続け、忘れていた。
やっと見付けた。こういう映画だったんだ。ストーリーは頭にたたき込まれていた。セリフもたたき込まれていた。映像がやっと繋がった。
人類浄化というのは永遠のテーマなのかもしれない。ユダヤの時代を経て、ヒトラーの時代、旧ユーゴ、「地球へ」・・・・・・
現実を帯びていない映画だからこそ、怖ろしいしリアリティが追求できるのだろう。
映画館で見たときは 僕もまだ若かった事もありよくわからなかったけど、でも全体的と言うか部分的に記憶の奥に刻まれて長い間見たかった映画です。今回改めて見てみて深い内容の良い映画です。内容は、わかりやすく言うと、悪魔の出てこないデビルマンて所ですかね。去年やった駄作をみるくらいだったら、これのが、よっぽど伝わる物がありますね。
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[ DVD ]
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アンテナ スペシャル・エディション [DVD]
・加瀬亮 ・小林明実 ・木崎大輔 ・宇崎竜童 ・麻丘めぐみ
【ハピネット・ピクチャーズ】
発売日: 2004-07-23
参考価格: 4,935 円(税込)
販売価格: 3,762 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 2,940円〜
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・加瀬亮 ・小林明実 ・木崎大輔 ・宇崎竜童 ・麻丘めぐみ ・田口ランディ ・熊切和嘉
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カスタマー平均評価: 5
還暦過ぎてすごい映画を観た! 映画の内容そのものは、還暦過ぎのおば(あ)さんにはちょっとついて行きづらい面もありますが(当然?!)でも見て損はしない力作だと思います。加瀬亮さんの細やかな演技をTVドラマ「ありふれた奇跡」で初めて見て興味を持ち、私の日常とはかけ離れた世界らしい「アンテナ」をゲット・・・衝撃を受けました。テレビの役とは別世界のキャラクターを熱演、すごく根性のすわった俳優さんだったんだ、とファンになってます。
アンテナ 結局、祐一郎が一番の被害者である。
家族のほかのものは、宗教や自殺を通して妹の失踪を乗り切っていく。彼は間にはさまれて、自分の家族が堕ちていったり、想像の世界を描くところを見て、彼らの面倒を見ることしかできない。
だが、SMの女王・ナオミとのセッションで、彼は自分自身が閉じ込めていた「中身」をさらけ出して、楽になる。自分がずっと終わらせたかったことを、終わらせようとする。
とても重い本作だが、ハッピーエンドである。
もしそうじゃなくても、希望はまだある、ということを感じさせるラストであると思いたい。
ちなみに、加瀬亮の熱演と、熊切和嘉の演出、カメラワークなども見ものである。
アンテナ この作品の原作を読んでから見ました。原作と比べて削られているところもありましたが、核となる部分は濃く、登場人物の心情がじわじわと伝わってきました。驚くべきは、加瀬亮さんの演技力だと思います。ただリアルで、圧倒されるばかりです。最初に見たときは、ほとんどまともに見ることができなかったのですが、何度も見返すうち、祐一郎と同じように、私もナオミの台詞に救われたような気がします。
詩的情緒を大切に、美しく… 内容だけを見ていると、目を覆いたくなる部分、耳を塞ぎたくなる部分が多くありそうですが、情緒というものが大切にされていて、登場人物たちの心の変化が美しく描かれているので、SMルームでのシーンや自傷シーンなどもみやすいです。バックに流れる曲、要所に出てくる鏡越しの風景…、色んなものが合図となって、作品の中に見ている私を引き込んでいきました。重要となる、SMルームでのマスターベーションを強要されるシーンは、主演・加瀬亮さんの圧倒的な演技力によって、リアルかつ美しいものになっています。主人公の心の鍵とも言える女王様の言葉に、何度見ても私は泣いてしまいます。
熊切監督の着眼点、加瀬亮の演技力 荻原家を突然襲う悲劇「妹の失踪」 同居していた伯父は、自殺。 父親の病死、母は宗教にのめり込み、弟は精神病院へ入院してしまう。 それをどのように纏めあげるのか、熊切監督の着眼点が見ものだ。 抑圧された感情や体験を言葉や行動として外部に表出して、 心の緊張を解消していく様が荻原家の人間模様を土台に上手く表現されている。主人公の荻原祐一郎役を演じる加瀬亮の演技力も見どころ。 この作品の奥行きを上手く表現。すごい役者だ。
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[ DVD ]
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青の炎 特別版 [DVD]
・二宮和也 ・松浦亜弥 ・鈴木杏 ・秋吉久美子
【アスミック】
発売日: 2003-09-26
参考価格: 4,935 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 2,650円〜
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・二宮和也 ・松浦亜弥 ・鈴木杏 ・秋吉久美子 ・東儀秀樹 ・貴志祐介
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カスタマー平均評価: 3.5
松浦亜弥の演技力 いやぁ、松浦亜弥って演技ド下手ですね。
影のあるキャラだっていうのは解りますがセリフとか棒読みですからねぇ。
ただ、この映画で二宮君が役者として開花したように感じます。
役者二宮和也に魅せられる作品 原作を読んでこんなに悲しい終わり方があって良いのかと思い、(そうしかないか、とも思う)映画が上映されるときには見ることができませんでした。何年もたってふと思い立ってじっくり鑑賞しましたが、原作のなかで優秀で健全な主人公がしだい次第に追い詰められていく様が、二宮君の演技によってみごとに再現されていたように思います。松浦さんの演技には賛否あると思いますが、殺人者を「自然」に受けとめられる「不自然さ」も彼女の淡々とした無機質な感じの台詞回しがなんとなく上手く調和していたようにも思います。見終わったあと、悲しすぎて、「生きている二宮君がみたい!」とコンサートDVDを出してみてしまいました。
青の炎 日本の映画なので、ハリウッドには、かないません。全体的に暗いめーじの作品です。
しかし、思春期の少年の複雑な気持ちを、二宮が演じたのは、よかった(うまかった)と思います。松浦あやは、おまけ的な存在でしょうか?
全体的ストーリーは、1人目の殺人の口止めで、再度殺人を犯してしまう、という泥沼のパターンです。
完全犯罪を目指していたわりには、証拠を警察に回収され、計画が甘かったかも知れません。まあ、高校生ですから、警察の上をいこうとするには、荷が重い。
現実っぽく、日本のどこにでもあるような家庭が崩壊していくのが、見ることができるので、これが、自分の生活であったら?と思うと、ちょっと怖い気もした。
少年犯罪 二宮演じる主人公の計画性が伝わってくるし、話としても面白い。
だけどTVでもやってそうな感じがして安っぽさが出ていると思う。
演技もさほどうまいとは言えない。
松浦亜弥以外は☆5 松浦亜弥が最悪!!いくら人気だったからってあんな大役やらせるなよ…特別出演で妹の友達とかで一瞬でいいだろ?!演技にもなってない喋り方…観ててうんざりです。今やハリウッド進出までした二宮和也の初主演映画。この頃から独特の雰囲気ありましたよね!!童顔なんだけど老成した表情が今の俳優にはなくていい感じです。殺される山本寛斎の恐ろしさも秋吉久美子の哀しい女っぷりも鈴木杏のホントっぽい妹役も中村梅雀のじわりじわりと追い詰める刑事もみんな良かったけど松浦亜弥だけはイケナイなぁ。他にいい女優さんたくさんいるはずでしょ?あの役って本当は物語のカギを握る重要な役だからもっとちゃんとした人にやってほしかったな!!
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